溶接珪酸塩とフルオロベリリウム酸塩の間の相応状態原理の成立とその応用

古川 和男; 大野 英雄

日本金属学会誌, 41(5), p.450 - 457, 1977/05

http://joi.jlc.jst.go.jp/JST.Journalarchive/jinstmet1952/36.450

アルカリフルオロベリリウム酸塩またはアルカリ土類酸塩のようなAX-BX型イオン性液体において、次のような条件下で相応状態原理が成立することが証明された。[A]物質対(i)CiF-BeFとMgO-SiO,(ii)NaF-BeFとCaO-SiO(iii)KF-BeFとBaO-SiOの間、[B]AXが30~70mole%の組成領域、[C](i)に対し2.85、(ii)(iii)に対し2.80で還元した絶対温度軸において。この相応状態においては、(1)イオン充填密度、(2)粘性係数、(3)当量電動度が実験誤差内で同一値をもつことが確認できた。溶融フルオロベリリウム酸塩に対する実験的研究は、それが低融点でNi合金(Hastelloy N)などの容器がつかえることから、溶融珪酸塩に対する実験よりもはるかに容易である。溶融フルオロベリリウム酸塩のみでなく、溶融珪酸塩の関連する科学技術進歩に決定的貢献をなしうるであろう。